婚活男性の年代別割合(結婚相談所全体の傾向)平成29年度 結婚情報サービス業調査に関する報告書より
婚活男性の年代別割合(結婚相談所全体の傾向)は、30代で約36.2%、40代で約41.3%、50代で約15.7%となり、このデータから30代と40代の男性が全体の約77.5%を占めており、婚活市場において主要な年齢層となっています。

では、婚活市場において主要な年齢層となっている30代、40代男性の薄毛状況はどうなのでしょうか。

日本人男性の薄毛(AGA)状況
日本人男性の薄毛(AGA)発症状況は、日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診察ガイドライン(2017年版)」で、20年以上前の2004年に発表された調査結果をもとに「20代で約10%、30代で20%、40代で30%、50代以降で40数%と年齢と共に高くなる」と、明記されています。

30代、40代男性は婚活市場において主要な年齢層ですから「ハゲや薄毛が婚活の妨げになるのでは?」と、考えてしまい婚活を躊躇してしまうのも頷けます。
また、勇気を出して婚活を始めても上手くいかなければ「やっぱり、ハゲや薄毛のせいだからだ。」と、余計コンプレックスに感じてしまうかもしれません。

しかし、ハゲや薄毛は不可抗力だと理解し認識している女性だっているのです。そんな女性たちは男性が思うほどハゲや薄毛を気にしてはいませんから、上手くいかない原因がハゲや薄毛だとは一概には言えないのです。

婚活が上手くいかない原因がハゲや薄毛で無いとしたら、本当の原因は何なのでしょうか?

それは、婚活が上手くいかない事をハゲや薄毛のせいにして、本当の原因と向き合わない事だと考えられます。

そこで、今回はハゲで悩みながらも結婚相談所で見事ご成婚し、幸せなご結婚をされたSさん40代の婚活奮闘記をご紹介します。
Sさんの婚活奮闘記から、ハゲや薄毛でお悩みの男性が婚活で苦戦してしまう原因。そして、どの様に婚活に取り組めばご成婚へと辿り着けるのかがご理解頂けると思います。
Sさんの婚活奮闘記が、ハゲや薄毛でお悩みの30代・40代の婚活男性の一助となれば幸いです。

Sさんは都内在中の43歳。身長175㎝の細身でスタイルの良い男性です。
区役所の環境整備課に勤務されている公務員で年収は約600万円
Sさんは長男で、ご家族は、父、母、妹(既婚別居)、弟(既婚別居)
実家暮らしで独り暮らしの経験はありませんが、幼い頃からご両親は共働きだった為Sさんは一通りの家事はこなせます。
趣味は旅行、ドライブ、スポーツ観戦(サッカー、ラグビー、野球等)
そして、お悩みは頭頂部がハゲている事です。
30代前半から薄毛が気になりだし、40代で完全に頭頂部はハゲてしまい、そのせいで性格も徐々に暗く消極的になってしまいました。

恋愛経験は殆どありませんが、20代の時に遠距離恋愛の経験が有り、そのお相手とは結婚も考えたそうです。
しかし、その彼女はひとりっ子、Sさんも長男ですのでお互い地元を離れる事が出来ず、泣く泣く別れたと話してくれました。

彼女との別れで相当落ち込んだSさんに追い打ちをかけるかの様に頭頂部は日増しに薄くなり、Sさんは益々自信を無くしてしまったのです。
その事がきっかけとなり、Sさんは恋愛から遠ざかってしまいました。そして、恋愛を遠ざけるかのように男友達と趣味に明け暮れました。

そんなSさんも気がつけば30代後半となり、趣味に明け暮れていた友人たちは皆結婚してしまいました。
ふと気がつけばSさんはひとり独身となってしまい、さすがのSさんも自身の今後について考えざるを得なくなり結婚を意識する様になりました。
友人に相談すると「婚活パーティーに参加してみたら?」と、言われましたが、Sさんは「ハゲている自分など相手にされるはずがない。」と、本気にしませんでした。
しかし、周りを見ても結婚の対象となる様な女性はいないし、このまま何もせずじっとしていては出会う事も無いだろうとSさんは考えました。「ハゲでも結婚相手は見つかるのか。」「こんな自分を受け入れてくれる女性が居るにだろうか。」と、Sさんは悩みに悩んだ末、婚活パーティーへの参加を決めました。

Sさんは30代の男女を対象としたパーティーに参加しました。
会場は都内のホテルの為、大変豪華で華やかな雰囲気にSさんは緊張してしまいました。
パーティーは立食形式のフリートークでしたので、慣れている人たちは飲んだり食べたりしながら近くにいる異性に話しかけ、歓談が始まりました。
そんな様子にSさんは気後れしてしまいひとり飲んで食べていると、自分と同じように女性と話せずにいる男性たちが数人いることに気付きました。Sさんが話しかけると、皆今回が初めてで緊張していると分かり、緊張も解れ男性同士で盛り上がりました。そんなSさんたちに数人の女性たちが話しかけてきました。その女性たちも女性同士で盛り上がってしまったのですが「せっかく婚活パーティーに来たのだから男性と話さなければ!」と、皆で勇気を出して話しかけてきたのでした。
男性陣も個人では難しくても複数人なら心強く皆リラックスして会話が出来、二次会でカラオケにも行き楽しく大変盛り上がったそうです。

その後もSさんたちはパーティーが開催される度に同じメンバーで参加し、毎回二次会三次会に行くようになりました。異性を意識する事も無かったので、Sさんは自分のコンプレックスであるハゲを気にしなくて済みましたが、もはや婚活目的では無い『ただの飲み会』と化してしまい、これでは意味が無いと落胆しました。

Sさんは婚活パーティーに限界を感じていましたが、他に婚活の手立てが見つからず悩んでいたある日、電車の中刷りで『大手結婚相談所』の存在を知りました。
そこは有名な大手の結婚相談所でSさんも名前を聞いたことが有った為、Sさんは、直ぐ問い合わせました。

説明を聞くと色々なコースがあり、コースによって値段も色々ありました。Sさんは、希望に合った女性を毎月数名紹介してくれるコースを選び契約しました。
大手結婚相談所での婚活が始まりました。

入会後、数人の女性を紹介してもらいSさんは生まれて初めて『お見合い』を、経験しました。

お見合いエピソード

40代初婚女性とお見合いした時の事です。
相談所から指定された場所は有名な高級ホテルのラウンジです。
Sさんはスーツ姿でお見合い場所へと向かいました。
到着するまではさほど緊張してはいませんでしたが、到着し高級ホテルを目の当たりにするや否やSさんは極度の緊張に包まれてしまいました。
それでも気を取り直し、待ち合わせのラウンジでお相手を待ちました。すると、間もなく女性が現れました。
Sさんが顔を上げると、Sさんの頭頂部に目が釘付けになっているお相手が目に飛び込んできました。

婚活パーティーで知り合った女性たちとは友達の様に接していた為、頭頂部がハゲている事を気にしないで済んでいましたが、お見合いは初対面から異性を意識してお会いするので当然お相手はSさんの容姿にも目がいきます。
女性の表情が曇るのを見て、Sさんは現実を思い知ったのです。

Sさんは極度に緊張してしまい、話もまともに出来ずお見合いは終わりました。
残念ながら、Sさんはお断りされてしまいました。

このお見合いでの経験がトラウマになってしまい、その後のSさんの婚活を難しくさせました。
それからもSさんはお見合いを繰り返しましたが、やはり、女性たちの視線は容赦無くSさんの頭頂部へと注がれました。そんな女性たちを目の前にすると、Sさんは緊張して上手く話す事が出来ずお断りされ続けました。

◆ 少人数制・個人の結婚相談所 ◆

Sさんはお見合いを頑張りましたが上手くいかず、気が付けば1年が過ぎていました。
思い悩んだSさんは、契約している大手結婚相談所に相談しましたが「がんばってください。」と、励ましてはくれるだけで具体的なアドバイスはもらえませんでしたから、Sさんはどうして良いか分からず婚活を諦めてしまおうかとさえ思い始めていました。
そんなある日、他にも結婚相談所はあるのかと思い、ネットで検索すると沢山の結婚相談所が出てきました。Sさんはその中で『少人数制個人の結婚相談所』に目が留まりました。
大手結婚相談所にいたSさんには、個人の結婚相談所がよく分かりません。少人数制ならば会員数は多くは無いはずです。「少ない人数でマッチングできるのか?」と、疑問に思いながらも気になったSさんが『少人数制個人の結婚相談所』を調べると、相談所の会員同士でマッチングするのでは無い事が分かりました。
個人の相談所自体が大きな連盟に加盟しており、その相談所の会員になると相談所を通して連盟に登録されます。つまり、大きな連盟に登録されている莫大な人数の中でマッチングする仕組みなのです。
しかも、面談を重視し会員一人一人に手厚いサポートをする為に敢えて少人数制にしている事も理解出来ました。

ここなら何とかなるかもしれない。

Sさんは最後の願いを託し『少人数制個人の結婚相談所』へ変わる決心をしました。
そして、自宅から近い結婚相談所『アルカ デ ノア』を選んでくれたのでした。


◆ 結婚相談所アルカ デ ノアでの婚活 ◆

最初、Sさんは私の顔をまともに見る事も出来ない暗い青年でした。
Sさんに過去の婚活についてや結婚相談所を変える理由を伺うと「頭頂部がハゲている事が原因でお見合いが上手くいかず、今までの相談所からは良いアドバイスをもらえないから相談所を変えたい。」と、話してくださいました。
ぽつりぽつりと絞り出すように話してくださるSさんから、頭頂部がハゲているというコンプレックスがこの人を暗くしていると私は感じました。
ですから、Sさんはお見合い以前にやるべき課題があると私は考えました。

以下の課題に取り組む事でSさんは自信が持てる様になり、自信が持てればコンプレックスが気にならなくなるはずと考えたのです。
私が考えた課題とは以下の通りです。

Sさんはご入会したにもかかわらず、3ケ月もの間お見合いはお預け状態で私の指導に従い、ハゲている自分を受け入れ自信を取り戻す努力を惜しみませんでした。
その甲斐があり、Sさんはハゲという最大のトラウマを自分の個性として受け入れることが出来、ご入会当時とは見違えるほど明るく素敵に変身されました。
今のSさんならきっと大丈夫と、Sさんにお見合いのGOサインを出す事にしました。
良い笑顔のプロフィール写真も撮る事が出来、自己PR文も前向きな良い内容に仕上がりました。こうして、準備万端婚活の準備が整いました。
次は、いよいよお相手選びです。
お相手を探してお申込みをするようSさんに伝えると、山田さんも一緒に探して欲しいとおっしゃるので、お相手選びのポイントをアドバイスしました。


◆ お相手選び ◆

先ず、Sさんのお相手に対する希望を伺うと、お子さんが欲しいから30代前半位の女性に申し込みたいとおっしゃるのです。
結論から言えば、Sさんがこの希望通りの女性とお見合いするのは大変難しい事をお伝えしました。
女性はどの年代の方も自分と同年代の男性を希望されますので、自分よりも10歳近く年上の男性は結婚相手の対象にはなりません。
お子さんが欲しいというSさんの気持ちは十分理解出来ますが、若い女性にばかり申し込んだ事も婚活を難しくさせた原因だとお話しました。そして、今の時代は少々高齢であっても出産は可能だから申し込みの年齢層を上げる様提案しました。更に、Sさんの年齢から子供をもうけて成人させるとなれば、経済的負担も考え無くてはならない事もお伝えしました。すると、Sさんは驚いた様子で「考えていなかった。」と、苦笑いをされました。

そんなSさんに、どうしてもお子さんを諦めたくなければシングルマザーも視野に入れる様アドバイスしたのです。Sさんはこれまでお子さんがいる女性は全く考えていなかったそうですが、私の話を聞いて「そういう事情のある方ともご縁が有ればお会いしてみます。」と、おっしゃってくださいました。

また、プロフィールだけで無く、お会いしてみなければ実際のその方は分かりません。ですから、お申し込みを頂いた方には出来るだけお会いするようにとアドバイスしました。

Sさんにお伝えしたお相手選びのポイントをまとめると以下の通りです。

Sさんにお伝えしたお相手選びのポイント

✔ 同年代もしくは少し年上の女性から探す
✔ シングルマザーも視野に入れ探す
✔ お申込みを頂いたら極力お会いする


◆ お見合い開始 ◆

アドバイスを基にSさんと私は3人の女性をピックアップしてお申込みをしました。すると、お二人の女性から受諾のお返事を頂いたのです。
更に、Sさんより3歳年下のシングルマザーの女性からお申込みを頂きました。
しかし、やはりシングルマザーには抵抗があるのか、Sさんはお返事を保留にしました。

お1人目の女性とは、お見合い成立から一週間後お見合いとなりました。
年齢は45歳の初婚 Sさんより2歳年上のお奇麗な女性です。
あるホテルのラウンジでしたが、Sさんは練習の甲斐あって緊張せずリラック出来た様でした。
会話も弾みましたが、お相手の女性は独り暮らしの経験が無い為、結婚後は自分の実家に住むのが希望だと話されたそうです。Sさんは夫婦二人暮らしが希望ですし、実家に住みたい理由が「独り暮らしをしたことが無いから」と、いうのはあまりにも依頼心が強く、結婚したとしてお互いを支え合うのは難しそうだと考えました。先方はSさんの優しい人柄が気に入った様で交際希望でしたが、Sさんは自分とは合わないと辞退しました。
交際は不成立では有ったものの、Sさんはお相手から交際希望を頂いたのが今回初めてでしたので、だいぶ自信をつけた様でした。

お二人目は43歳、Sさんと同い年でバツイチの女性です。
お1人目のお見合いから一週間後にお会いしました。
こちらの女性ともスムーズに会話が出来ましたし、趣味の旅行の話も盛り上がりました。
しかし、結婚観について話し始めると『寝室は別が良い』『冷え性だから床暖房を入れて欲しい』『など。ずいぶん要望が多いなとSさんは感じました。けれど、話が楽しく意気投合した為、交際成立。Sさんは初めての交際成立に浮足立っていました。
私はこのお見合いの話を聞いて違和感を感じましたが、どんな結果になろうとも、仮交際の経験が無いSさんには良い経験になると考えました。

それから数日後、初めてのデートでの出来事です。
おふたりで夕食を食べていると、彼女が急に「指輪はカルティエが良い」と言い出したそうです。Sさんは初めてのデートで女性から高級ブランドの指輪が欲しいと言われるとは考えてもいなかったので驚愕しました。
思えばお見合いで言っていた新居の要望も費用がかかるなと、Sさんは思いました。
このデートの報告を受け、私は嫌な予感が的中したと思いました。恐らく彼女は、お金目的なのです。ですから、Sさんに辞めた方が良いとハッキリお伝えししました。
Sさんも同じ様に感じていましたので、きっぱりとお断りしました。


◆ お見合い後のSさん ◆

この2件のお見合いから、Sさんは他人の本質は楽しい会話だけでは分からない。お見合いやデートでは楽しむばかりでは無く、人間性や価値観を見なくてはならない事が分かったと話してくださいました。
私は「婚活は嫌な思いを経験する事も必要ですよ。嫌な思いを経験してこそ自分にとって何が大切なのかが分かるんです。」と、お話すると、Sさんは少し落ち込んでいましたが、勉強になりましたとおっしゃり、次のお見合いに活かしますと笑顔を取り戻されました。


◆ Tさんとの出会い ◆

笑顔を取り戻したSさんに、お申込み頂いているシングルマザーにお会いしませんか?と、お薦めしました。
お申込みを頂いてから大分経過しており回答期限が近づいていましたから、Sさんも気になっていてお受けしようかと悩んでいたそうです。
悩んでいるSさんに「血の繋がらないお嬢さんたちとやっていくのは大変だけど、Sさんが彼女たちのお母さんであるTさんを幸せに出来れば、追々、Sさんが年を取った時に彼女たちが力になってくれるはずよ。」と、言って背中を押しました。
背中を押されたSさんは自信が無いながら「お会いしてみます。」と、お会いする決心がついたのでした。

シングルマザーのお名前はTさんです。
Tさんは、Sさんと同じ43歳です。離婚歴があり、高校3年生と中学3年生の娘さんのお母さんです。
お写真は明るく可愛らしい雰囲気です。

翌週の日曜日、お二人のお住まいの中間地点にあるカフェでお見合いする事になりました。
Tさんは高校生のお子さんがいるとは思えない、若々しく可愛らしい女性です。
Tさんの方から「こんにちは!」と、明るく声をかけてくれたそうで、Sさんはその笑顔にノックアウトされてしまった様でした。

お二人は意気投合し、仕事や趣味の話題で会話が弾みました。
Sさんが趣味である旅行の話をすると、Tさんは興味深そうに話しに聞き入っていたそうです。そして、「私はどこにも行った事が無いので羨ましいです。私も行ってみたい。」と、おっしゃいました。Sさんは「Tさんは僕が遊び惚けていた頃、必死で子育てされていたのだから凄いですよ!」と、思わず心の声が言葉になった様です。その言葉を聞いて、Tさんはニッコリとされたそうです。
Sさんは迷いながらも離婚理由を尋ねる事にしました。Tさんは「気になるのは当然だと承知していますから大丈夫ですよ。」と、前置きしてから「離婚理由は前夫の女性問題と金銭問題です。」と、答えてくださいました。
そして「夫婦はどちらか一方だけが悪いという事はありませんから、私にも至らなかった点が有ったのでしょう。もし、また結婚出来たら過去の反省点を良い方に活かして幸せな家庭を作りたいと思っています。」と、Sさんの顔をしっかりと見ておっしゃったそうです。離婚理由を相手のせいだけにしないTさんに、Sさんは今までお会いした女性たちには無い『成熟した精神性』を感じたと後で話してくださいました。

それぞれ違う人生を歩んできたとはいえ自分が遊び惚けている時に、Tさんは辛い経験を体験し女手一つで2人のお子さんを育ててきたという話を聞いて、Sさんはハゲというトラウマに囚われ遊ぶことで現実逃避してきた自分の人生を振り返り、同い年でありながらあまりにも自分が子供っぽくて恥ずかしくなったそうです。

最後にSさんがなぜ自分に申し込んでくれたかを尋ねると「笑顔がやさしそうだったから。」と、答えてくれたそうです。
Sさんが「こんな頭の僕に申し込んでくれてありがとう。」と伝えると、Tさんは笑って「気にならなかったと言えば嘘になるけれど、Sさんには清潔感を感じたから申し込もうと思いました。それに、男性は年を取れば頭皮が薄くなって当然。私だって年を取れば白髪にもなるしシワやシミも出来ると思う。だから、外見はお互い様ですよ。それに、経験者は語りますが、結婚するのに外見は関係ありませんよ。」と、深刻にならないようにか、冗談交じりに返してくださったそうです。
そして「初婚のSさんが、バツイチでしかも子供が二人もいる私に会ってくれるなんて思いもしませんでした。こちらこそありがとうございます。」と、おっしゃってくださったのです。

こうして、SさんとTさんのお見合いは終わりました。


◆ この人と結婚したい ◆

お見合い後の報告でSさんが「この人と結婚したいと思いました!」と、唐突に報告してくださったのが印象に残っています。

Sさんは、Tさんの様な人生の経験者に選んでもらえた事が自信になり「結婚に外見は関係ない」と、言うTさんの言葉に救われたのでした。ですが、Tさんにはお子さんがいるという大きな問題があるのも事実です
その事についてはどうなのかをSさんに尋ねると「どうなるかは正直なところ自信は無いですが、Tさんと前向きに進めるのなら何でも出来ます。」と、Sさんは仰いました。
その日のSさんはいつものSさんとは違っていて、男性としての力強さと勢いを感じたのです。
「交際希望でお願いします。」と、いうSさんの希望を伺い、先方に連絡するとその日のうちにTさんも交際希望と返信が来ました。
こうして、お二人の交際が始まりました。

Sさんは、殆どどこにも行った事の無いTさんをドライブや観劇に誘い、おふたりは楽しくデート重ねていきました。会えない時はLINEでは無く電話で話すようにという私のアドバイスも忠実に守り、距離を近づけていったのです。電話で肉声を聞く事はお会いして話す感覚に近くなる為、お互いの距離を縮めるには大変効果的だとSさんにお伝えしていました。
こうして順調に交際は進み、お見合いから2か月が過ぎた頃真剣交際へと進む事になりました。

真剣交際へと進んだタイミングでSさんはTさんの娘さんたちにお会いしようと決めていました。
娘さんたちにお会いしてTさんとの結婚を許してもらう事はSさんにとって最大の壁ですが、娘さんたちに結婚を認めてもらわなければTさんとは結婚出来ません。悩んだSさんは私に相談してきました。
そこで私は「先ず、Sさんがどんな人間であるかを娘さんたちに理解してもらえる様、仕事や趣味、家族や友達の事などを話してください。それからTさんへの気持ちやこれからどうするつもりかを娘さんたちに伝えましょう。上手く話そうとしなくても良いですよ。一生懸命誠意をもって話せば、Sさんの人柄が通じてきっと娘さんたちは受け入れてくれますから。」と、Sさんに話しました。Sさんは納得した様子で「上手く話そうとしなければ何とか出来そうです。」と、安堵していました。
真剣交際に進むタイミングで娘さんたちに挨拶がしたいとTさんに相談すると「私もこのタイミングが良いと思う。」と、Tさんも賛成してくれました。

数日後、SさんはTさん親子と4人で会う事になりました。
場所はお見合いで初めてTさんとお会いしたカフェです。
約束の時間より少し早く到着したSさんは4人掛けのソファー席を確保し、先に着席しTさんたちの到着を待つことにしました。「あの時はこんな日が来るなんて思いもしなかった」と、Sさんはお見合いの日の事を思い出したそうです。
Tさんからは娘さんたちはお母さんが再婚する事に賛成でしてくれてはいるけれど、実際Sさんにお会いしてはいないので実感がわいていないようだと聞いていたので、娘さんたちに嫌がられ、反対されたらどうしようと急に不安になり緊張したようです。
それから間もなくしてTさんと娘さんお2人がやってきました。お2人とも少し緊張した面持ちでしたが、Sさんが立ち上がり挨拶すると笑顔になったそうです。その笑顔を見てSさんの緊張も解れました。Tさんが娘さんを紹介し、Sさんが自己紹介して「来てくれてありがとう。」と、伝えました。
Sさんは私のアドバイス通り、仕事の事や趣味の事など、自分がどんな人間なのかを娘さんたちに理解してもらおうと一生懸命話したそうです。
そして「僕は君たちのお父さんになる自信は無いけれど、お母さんを幸せにする自信はある。だから、お母さんとの結婚を許して欲しい。家族になって欲しいと思っています。」と、頭を下げました。
すると、上の娘さんが「ありがとうございます。よろしくお願いします。」と、言ってくださいました。下の娘さんも「よろしくお願いします。」と、言ってぺこりと頭を下げたそうです。Sさんはあまりの嬉しさに、不覚にも涙をこぼしてしまいました。Sさんの涙を見たTさん親子もつられて泣いてしまったので、慌てたSさんは「こんな頭でごめんね!」と、自虐ネタを言って笑わせました。
そして、4人で頑張っていこうとSさんが言うと3人が笑顔で頷いたそうです。
4人での顔合わせも無事に終わり、Sさんは真剣交際へと進みました。

Sさんから一連の報告を受け、Tさんへの思いや娘さんたちへの思いをSさんが誠心誠意伝えられた事とその頑張りに感動して泣けてきました。
Sさんにとって正にTさんは希望なのだと私は思いました。

真剣交際から1か月後、夜景の奇麗なレストランで、Sさんは二人で選んだ婚約指輪を取り出し「僕と結婚してください。」と、言ってプロポーズしました。
Tさんは「はい。私もあなたと結婚したいです。よろしくお願いします。」と、プロポーズを受けてくださいました。
SさんがTさんの指に指輪をはめると、Tさんは涙を浮かべて「ありがとう。」と、おっしゃったそうです。
Tさんは結婚指輪だけで十分だから婚約指輪は要らないと言ったそうですが、Sさんはどうしても買いたいと譲らなかったのです。

Sさんのご両親はTさんとの結婚について、Tさんが良いのならそれで良いと言ってくださいました。
ご両親は2人の娘さんがいる事を聞いて最初は心配されていましたが、幸せそうなSさんの姿を見て安心されたのだそうです。

最後にSさんは「山田さんが背中を押してくれたからTさんに出会う事が出来ました。Tさんは結婚相談所で見つけた僕希望です。」と、おっしゃいました。

こうして、Sさんはご成婚退会され、長い長い婚活は終わったのです。

30代男性 婚活で自信を取り戻せた彼が引き寄せたご縁 努力が実ったご成婚

■34歳男性 神奈川県在中 塾講師・婚活期間 約1年・交際期間 約3か月■お相手 32歳女性 神奈川県在中 日本語教師 Nさんとの出会い Nさんは大手学習塾にお勤めの子供好きでお優しい男性です。Nさんと初めてお会いしたの […]


婚活において、確かにハゲや薄毛の男性は出会いのチャンスが少なくなるのは否定できません。
しかし、そういった方たちにも婚活のやり方が有り、やり方を間違えなければSさんの様に幸せな結婚が出来るのです。
人は多かれ少なかれ、誰でもコンプレックスを持っていますが、多くの人は自分のコンプレックスを隠して生きています。
Sさんのコンプレックスであるハゲは人目に触れてしまい隠す事が出来ませんから、常にSさんはコンプレックスを感じ生きてきました。それは私たちが考えるよりもずっと辛い事なのだと思います。
Sさんのお人柄を知れば外見はカバー出来るのですが、婚活は内面より先に外見に目に入るので、やり方を知らなければ上手くはいきません。
Sさんが当相談所に入会する前は、パーティーや大手結婚相談所で婚活されていましたが、Sさんの様にコンプレックスがあり恋愛経験の少ない人には絶対的にマンツーマンのサポートが必要な為、婚活方法が間違っていました。例えて言うなら、勉強の基礎が全く出来ていない学生が、レベルの高い大手学習塾に行ってもついて行け無いのと同じです。
前述した通り、Sさんには婚活を始める前に多くの課題が有りました。
その課題を克服したから、こそハゲというコンプレックスを乗り越える事が出来、男性として成長し、ほんの数人とのお見合いでご成婚に辿り着けたのです。

Sさんは遠回りはしましたが、結婚相談所に入会した事でTさんという『希望』に出会えたのです。



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